肺炎球菌ワクチン13価への切替えについて
平成25年4月より定期接種として実施されている小児肺炎球菌ワクチンについて、これまでは7価ワクチンが使用されていましたが、平成25年11月1日より13価ワクチンに切り替わることになりました。ワクチンの切替えに伴い、11月1日以降の受け方にも変更がありますので、ご確認のうえ予防接種を行ってください。
☆そもそも肺炎球菌感染症って?
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気で、ときに肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。特に、髄膜炎を発症すると、2%の子どもが亡くなり、10%が難聴・精神の発達遅滞・四肢の麻痺・てんかんなどの後遺症を残すと言われています。小さい子どもほど発症しやすく、中でも0歳児でのリスクが高いとされています。
☆新たに導入される13価ワクチンと、これまでの7価ワクチンの違いは?
肺炎球菌には90以上の種類があります。これまで使用されてきた「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」には、中でも重篤な症状を引き起こすことの多い7種類の肺炎球菌の成分が含まれています。一方、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」には、新たに6種類が追加され、計13種類の肺炎球菌の成分が含まれています。7価から13価に変更されることで、従来よりも予防効果が高まることが期待されます。
☆13価ワクチンはいつから導入されますか?
13価ワクチンは、平成25年11月1日から定期接種に導入される予定です。
平成25年10月31日までは、定期接種として13価ワクチンを用いることはできず、従来の7価ワクチンを接種することになります。
☆13価ワクチンの接種スケジュールは?
基本的には従来の7価ワクチンと同様のスケジュールで実施しますが、11月1日からの変更点は2つあります。(赤色部分)
- 接種開始年齢が生後2~7ヶ月未満の場合:追加接種は、初回3回目接種終了後60日以上の間隔をおき、かつ、1歳以上であること。
- 接種開始年齢が生後7~12ヶ月未満の場合:初回2回目を生後1歳1ヶ月までに接種すること(2回目が1歳1ヶ月を超えた場合は接種しない。追加接種は実施可能)。

平成25年11月1日以降、定期接種として使用できるのは13価ワクチンのみです。残りの接種回数を、スケジュール通り13価ワクチンで実施してください。
☆既に7価ワクチンを全て接種済みです。更に13価ワクチンを接種してもいい?
海外の研究では、7価ワクチンを全て接種してから8週間以上経過後に13価ワクチンを接種した場合、追加6種類に対する抗体は上昇するとされています。定期接種の対象とはなりませんが、希望者が任意で接種することは可能です。
☆13価ワクチンが定期接種に導入されるまで待ってもいい?
肺炎球菌感染症は、特に乳幼児期に重症化しやすい病気です。ワクチンの接種を遅らせたり、途中で中断したりしてしまうと、十分な予防効果を発揮できずに肺炎球菌感染症を発症してしまう可能性があります。原則として、13価ワクチンの定期接種導入まで待つことはおすすめしません。ただし次の場合は、導入まで待ってもよいと言われています。
- 平成24年5月1日以降に出生したお子さん。
- 生後2~7ヶ月に至るまでの間に接種を開始し、7価ワクチンによる初回接種3回目が終了しているお子さんの追加接種
※ 1と2を両方満たすお子さん